マーヴィン・ベリー & ザ・スターライターズの看板って、なぜ音が聞こえるの?
名前を見ただけで、あの体育館のステージが頭に浮かぶ。 架空のバンドなのに妙にリアルで、映画ファンだけが小さくニヤリとするサインボードの話です。
映画に出てくる架空のバンド名には、妙な魅力がある。
実在しない。
レコードもない。
ツアー日程もない。
でも、名前だけで記憶に残る。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で言えば、
Marvin Berry and The Starlighters。
マーヴィン・ベリー & ザ・スターライターズ。
長い。
でもいい。
長い名前のバンドは、だいたい何かを背負っている。
たぶん。
架空のバンドなのに、やけに存在感がある
マーヴィン・ベリー & ザ・スターライターズは、映画の中で高校のダンスパーティーに登場するバンドだ。
そう、あの魅惑の深海パーティー。
青い照明。
ドレス。
ぎこちないダンス。
そしてステージにいる、やたら雰囲気のいいバンド。
このバンドがいるから、あの場面はただの学校イベントではなくなる。
ちゃんと1955年の夜になる。
映画の小道具や名前づけがうまいと、存在しないものまで本当にありそうに見える。
これが映画のずるいところだ。
そして、いいところだ。
あの電話が、ロックンロールのスイッチになる
このバンドを語るときに外せないのが、マーヴィン・ベリーの電話である。
ステージでマーティがギターを弾く。
会場がざわつく。
そしてマーヴィンが、ある人物へ電話をかける。
あの流れが最高だ。
ロックンロールの歴史に、映画らしい冗談をひょいっと差し込んでくる。
真面目に考えると時空がややこしい。
でも大丈夫。
この映画のファンは、時空がややこしいほど元気になる。
たぶん。
ファンだけがニヤリとする看板
このサインボードのいいところは、説明しすぎないところだ。
大きく映画タイトルが入っているわけではない。
デロリアンが描かれているわけでもない。
でも、分かる人には分かる。
壁に掛かっている文字を見て、
「あ、あのバンドだ」
となる。
こういう雑貨は強い。
声が大きくないのに、ちゃんと届く。
映画グッズなのに、部屋の中で浮きにくい。
むしろ、レコード店の壁か、古いライブハウスの片隅にありそうな顔をしている。
プラスチックサインという軽さがいい
ブリキ看板には、金属らしい少し無骨な良さがある。
一方で、プラスチックサインには軽さがある。
見た目も、飾る気分も、少しライト。
壁に一枚足しても重くなりすぎない。
このマーヴィン・ベリー & ザ・スターライターズのサインも、その軽さが似合っている。
ロックンロール前夜の高校ダンスパーティー。
少しチープで、少し洒落ていて、でもちゃんと映画の記憶につながる。
そういうバランスがいい。
完璧な高級感ではなく、いい意味でのポップさ。
アメリカン雑貨は、そこが楽しい。
最後に
マーヴィン・ベリー & ザ・スターライターズは、現実には存在しないバンドだ。
でも映画の中では、あの夜をちゃんと鳴らしている。
そしてサインボードになると、その記憶を壁に掛けられる。
大げさに言えば、これは小さなライブポスターだ。
もっと大げさに言えば、壁に飾るロックンロールの時空装置である。
言いすぎたかもしれない。
でも、バック・トゥ・ザ・フューチャーの話なので、少しくらい時空が広がってもいい。
問題はひとつ。
これを飾ると、魅惑の深海パーティーの看板も横に欲しくなる。
そしてその横に、また別の映画グッズが欲しくなる。
気づけば壁がヒルバレーである。
ようこそ。
たぶん、戻れません。