American Vintage Magazine Monster Movie Story 09
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Monster Movie

キングコングのブリキ看板って、なぜ壁から映画が始まりそうなの?

ゴリラがいる。 高いビルがある。 逃げる人々がいる。 そしてこちらは、なぜか部屋の壁に穴を開ける準備をしている。

キングコングのアメリカンブリキ看板風イラスト
壁に掛けるだけで、部屋の空気が少し映画館になる。

部屋にポスターを貼る。

それだけなら、よくある話だ。

でもキングコングの看板を壁に掛けるとなると、少し話が違う。

なにしろ相手はキングコングである。

棚の上でおとなしくしてくれるタイプではない。

なんなら棚ごと持ち上げそうだ。

こちらは小さなブリキ看板を飾っているだけなのに、気分としてはもうニューヨーク上空。

コーヒーを飲んでいる場合ではない。

いや、飲む。

こういう時こそコーヒーだ。

落ち着いて壁を眺める。

すると、やっぱり思う。

キングコング、強いな。


キングコングは、怪物なのにスターである

キングコングのすごいところは、ただ怖いだけではないところだ。

巨大。

荒々しい。

人間の言うことを聞かない。

とても困る。

都市計画的にも、かなり困る。

でも、ただの悪役ではない。

見ているうちに、少し気持ちが寄ってしまう。

あれは怪物というより、映画の中に現れた巨大な感情だと思う。

怒り。

孤独。

混乱。

そして、ちょっとした純粋さ。

ビルを登るサイズの純粋さは、正直めちゃくちゃ迷惑だ。

でもスクリーンの中では、そこがたまらない。

1933年の映画が、今見ても強い

『King Kong』が公開されたのは1933年。

RKOの映画で、Merian C. CooperとErnest B. Schoedsackが監督を務めた作品として知られている。

主演のFay Wray。

そして、ストップモーションによるコングの動き。

今のCGに慣れた目で見れば、もちろん古い。

でも古いから弱い、という話ではない。

むしろ古いから強い。

一コマずつ動かされた怪物には、妙な重みがある。

なめらかすぎない。

完璧すぎない。

でも、そこに生き物の気配がある。

人間が本気で「見たことのないもの」を作ろうとしている感じがする。

その熱量は、画質が上がっても簡単には真似できない。

1933年のスクリーンでこれを見た人たちは、たぶん相当びっくりしたはずだ。

今で言うと、映画館のポップコーンを持つ手が止まるレベル。

当時ポップコーンを持っていたかは知らない。

でも、気持ちは止まったと思う。

エンパイア・ステート・ビルという最高の舞台

キングコングといえば、やっぱりエンパイア・ステート・ビルである。

高いビル。

空。

飛行機。

そして頂上にいる巨大なコング。

この組み合わせが、あまりにも絵になる。

しかもエンパイア・ステート・ビルは、1931年に完成したばかりのニューヨークの新しい象徴だった。

最新の都会のシンボルに、太古の怪物のような存在が登る。

この構図がいい。

新しいものと古いもの。

文明と野性。

人間の街と、そこに収まりきらない何か。

真面目に言うと、かなり映画的である。

雑に言うと、めちゃくちゃかっこいい。

どちらも正解だ。

レンガ壁に掛けられたキングコングのアメリカンブリキ看板の正面写真 レンガ壁に掛けられたキングコングのアメリカンブリキ看板の斜め写真
Today's Good Stuff キングコングの看板は、ただの映画グッズというより“古い映画館の壁”を一枚持ち帰る感じがある。 レンガ壁に掛かると、スクリーンの中の怪物が急にインテリアとして居座り始める。

ブリキ看板になると、急に部屋に置ける映画になる

映画そのものは、部屋に置けない。

DVDやBlu-rayは置ける。

配信ならもっと置けない。

気づいたら画面の中にある。

便利だけど、少し寂しい。

その点、ブリキ看板は物体である。

壁に掛かる。

光を受ける。

少しだけ反射する。

角に穴がある。

そこがいい。

映画の記憶が、ちゃんと“モノ”になる。

キングコングのような古典映画は、特に看板と相性がいい。

タイトルの文字だけで強い。

シルエットだけで分かる。

部屋に掛けた瞬間、そこだけ昔の劇場ロビーみたいになる。

チケット売り場はない。

でも気分はある。

怪獣映画の看板は、会話を始める

こういう看板のいいところは、見る人によって入口が違うところだ。

映画好きなら、1933年版の話になる。

怪獣好きなら、ゴジラや特撮の話になる。

アメリカン雑貨好きなら、ブリキ看板の色や古い広告っぽさの話になる。

そして何も知らない人でも、たぶん言う。

「キングコングだ。」

強い。

説明がいらない。

名前だけで絵が浮かぶキャラクターは、雑貨としてかなり優秀だ。

ミッキー。

スーパーマン。

キングコング。

並べると、なかなか濃いメンバーである。

この中で一番、棚を壊しそうなのはもちろんキングコングだ。

最後に

キングコングのブリキ看板は、ただの飾りではない。

古い怪獣映画の興奮を、壁に固定するための小さな装置だ。

1933年の映画。

ニューヨーク。

エンパイア・ステート・ビル。

ストップモーションの怪物。

そして、部屋の壁。

全部つながる。

もちろん、看板を掛けたからといって部屋に巨大ゴリラが来るわけではない。

来たら困る。

敷金が終わる。

でも、映画の気配くらいなら来てほしい。

コーヒーを置いて、少し離れて眺める。

すると、壁の向こうで古いフィルムが回り始めるような気がする。

モノクロの空。

鳴り響く悲鳴。

ビルの頂上。

そして、あの巨大な影。

ようこそ、壁の上の映画館へ。

上映時間は、あなたが眺めているあいだずっと。

Good Stuff Department

437ULG

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